ピラティスで痩せますか?

見た目のボディラインの変化により、「シャープになり、やせて見える」を痩せたとするのであれば「Yes」。
体重計の目盛りを少しでも0に近づけたいのであれば、ピラティス・エクササイズのみでなく食事の見直し、ほかの運動も候補に入れる、あるいは組み合わせることをオススメいたします。

メタボリック・シンドロームの診断における一つの評価指針として、下腹部の周計囲が女性85cm以上(80cm以上とする団体も存在)、男性90cmという数値が定められています。

この下腹のふくらみの要因の一つは、腹横筋と呼ばれるコルセットのような筋の収縮力低下により内臓のポジションが正常な位置からずれ、お腹を押し出している状態です。

この場合、骨盤を正しいポジションに戻し、腹横筋を正しく収縮させるピラティス・エクササイズで行うことで、一回のレッスンで3-5cm周計囲がへることもあります。

この改善された姿勢で有酸素運動(ウォーキング、ランニング等)を行うと、腰やひざなどにかかる負担を減らすだけでなく効果的な脂肪燃焼が促され体重を減らすことにも繋がります。

ただし、ピラティス・エクササイズを行うこと自体による脂肪燃焼効率は「高くはありません」。いわゆる、痩せる=体重・体脂肪減には、脂肪燃焼効率の高い有酸素運動を組み合わせることが必要です。(希望の方には、有酸素運動のメニューを組むことも承っております。)

二の腕など、別の部位の引き締めに関しても同様、ライン変化を目的としてのピラティス・エクササイズ(関節ポジション改善による血行改善、リンパの流れの改善も効果の一因、一要素)、脂肪自体を減らす有酸素運動2方向からのアプローチがより大きな痩せた実感をもたらすでしょう。

最後に、痩せる=体重の減量、の場合に最も重要な、摂取エネルギー(食事)の制限に関してお伝えいたします。

消費カロリー(基礎代謝、運動、熱産生等)>  摂取カロリー(食事)

上記の図式に当てはまれば基本的には痩せることができます(ホルモンバランスの崩れ等のケースは除外)。なぜ、運動指導にかかわるものが、自身のメインスキルである運動療法でなく食事の見直しを最重要課題とするのか?この理由は以下です。

脂肪燃焼効率が良いとされる、ゆったりめのジョギング(120m/min)30分=175kcalを消費するのに対し、脂肪1kg=7000kcalです。日数にして40日。ジョギングだけでやせようとすると、一日おき:週3日で走ったとしても3カ月以上かかる計算です。

一方、食事において175kcalは、底の膨らんでいない浅い女性用茶碗に一杯。この量を、毎日抑えるだけで、Kcal計算上は半分以下の一月強で同じだけ痩せることができます。

加齢による基礎代謝低下、運動をやめたことによる体重増加を安全かつ早く改善するには、食事改善の方が向いていると個人的には考えています。(注:ただし、健康的に痩せリバウンドしないためには、運動を組み合わせ、筋量キープが必要。さらに炭水化物を抑えることによる悪影響など問題・弊害は存在する。)

そして、ここからが最大のポイントです。

「ジョギングを上記の半分、同時に、食事制限も上記の半分」=「15分ジョギング一日おき+半膳のご飯我慢」

この組み合わせでも、同じ結果を生みだすことができます。

それぞれの手法にこだわらず、同時に行うことで、それぞれの我慢を半分にして、同じ効果が得られるのです。「30分 → 15分」、少し気が楽になりませんか?

さらに、別の小さなステップをもう二つ組み合わせると仮定すれば、ランニング自体は7分、食事制限は浅い茶碗1/4。「駅から家まで走る」 + 「朝昼晩、一口残すだけ」、これなら出来そうじゃないですか?
一つに絞ったキツイ制限を、一生続けることができますでしょうか?同じ食事制限、運動を一生涯続けられますか?

出来なくていいんです。やらなくていいんです。少しの摂りすぎ・運動のしなさすぎ、これらを改善していけさえすれば。

BASI認定ピラティスインストラクター   内田悠人(Yuto)
http://beu-bcs.com/

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